とある地方公務員のブログ

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公務員の生産性を劇的に下げる「パワーポイント」という文化

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パワーポイントというソフトウェアをご存知でしょうか。いちいち説明はしませんが一言で説明すると、どんなスカスカな内容でも、それっぽく凄いような感じを与える印象操作粉飾ソフトウェアのことです。

 

私は常々、このパワーポイントが公務員の生産性を奪っていると感じましたが、そんなパワーポイントが役所内で独自の進化を遂げていることを発見しました。

 

紙芝居化するパワーポイント

 

パワーポイントは使ったことならわかると思いますが、本当にこだわればいくらでもこだわることができる中毒性のあるソフトです。内容よりもレイアウト、内容よりも図表やイラストといったように非常にやり込み要素満載のソフトです。

 

そんなソフトウェアが活躍するのが、会派説明、市長、副市長レクなどいわゆる偉い人へのレクです。レクの時には、紙資料を使うことも多いのですが、パワーポイントを使うことがあります。パワーポイントで資料を作って配布をすると、内容よりもしっかり資料を作っている!という印象を相手は持つようです。

 

また、はりきってスクリーンをもってきてレクをすると、しっかり準備して伝える熱意が感じられる!というようにもなります。内容を突っ込まれるのをかわすために敢えて内容以外のところに関心を誘導しているわけです。

 

そのような現状を踏まえると、パワーポイントとは、形を変えた紙芝居であり、エンターテイメントの一つなのではないかと思うわけです。資料やグラフといった数字、その事業の意義、効果等、よりも効果的な映像、動画といった「演出技法」が求められます。このようにして、内容がスカスカでも説明では強力な資料が作られていき、そのようなノウハウを持つ人は、資料作成のプロなんて言われるわけです。

 

ここで、一つ断っておくと、この手法については地域向けの学習会、講習会では有効です。ひたすら文書を説明すると眠くなるので、パワーポイントを使った方法は一定有効です、が、それが日常的に使われてしまうと非常に効率性を奪います。

 

係会、課内会においても、なぜか念入りにパワーポイントで資料を作る職員が一定数おり、もはや資料を作ること、そのものが目的化しているようです。

 

 

曼陀羅化するパワーポイント

 

いわゆるポンチ絵と呼ばれる代物で、一枚で事業概要がわかるものをよく作らされます。当然、一枚に収める目的は、要点を絞り、短時間に相手に伝えることですが、その取捨選択ができなくなると、結果的に曼陀羅のように、逆にわかりづらい資料ができあがります。

 

このようになるのは、漏れがあると突っ込まれるので、いろいろ補足説明やエクスキューズを入れた結果なのですね。本来わかりやすく伝えるはずが独自の進化を遂げてしまいました。あと、項目別に色分けをしたせいで、目がちかちかするパワーポイントになってしまうこともしばしばです。

 

 

 役所に蔓延るパワーポイント信者

 

このようにパワーポイントは手段でもあるにもかかわらず、紙芝居、曼陀羅と独自の芯かを遂げてきたわけですが、その進化を後押しする集団として、役所内にいるパワーポイント信者です。パワーポイントは便利で、効果的な表現ツールであり、これを使わないのはスキルが低いと思っているような人たちです。

 

当然彼らのパワーポイントは皮肉抜きにすごいものもあります。そのような演出があったのか!といったこともあり感心することもありますが、基本的にパワーポイントは他に転用が難しいので、基本的にオーダーメイドです。

 

なので、コストパフォーマンスが低いんですが、それでも、アートであるので、コストという考え方自体が野暮なんですね。それに残業する方が役所では頑張っているという文化があるので、もはや何が正しいのかわからなくなります。

 

そして、残業をするということで、出世をする確率も高くなりますので、まさにパワー(権力)ポイントといったところです。

 

 パワーポイントは文化である

 

役所の世界には技術屋、事務屋という大きなくくりがありますが、その中でも事務屋という人々のスキルの見せ所はそんなにありません。そこで、少しでも自分の力をアピールする手段がパワーポイント、というわけです。

 

くどいようですが、私はパワーポイントを否定していません。否定していませんが、あまりにも乱用しているのではないか?と思うわけです。まさに権力の濫用ならぬ、パワーポイントの濫用です。

 

しかし、ワードで作った資料、ましてはメモ帳で作ったような資料であれば、手抜きと思われてしまうジレンマもあり、パワーポイントはいかに手抜きをして作るかということが最適解となります。ただ、これは最適解であっても、正解ではないことはいうまでもありません。